2008年06月22日

本気  〜挑戦の軌跡?〜

まず前回の記事とこの写真をご覧ください。

CW2008榎本泣

チャレンジウォーク中の一コマです。
右手にチャレンジウォーク隊、
左手に写っているのは
チャレンジウォーク隊の隊長を務めた、私の相方えのちゃんの後姿です。

しかも、チャレンジウォークの5日目、
ななくんのリタイヤの知らせを聞いた直後の隊長の後姿です。

チャレンジウォークのテーマは
いわば映画の「スタンド・バイ・ミー」です。
自分達の冒険の旅であって、決して引率された旅行ではないのです。
自分達で考えてやるから面白い。

道を間違えたり、夜になっても宿泊場所まで着かなかったり、
食料の買出しでドキドキしたり・・・。
すべて子どもたちの役割です。
だから同行する大人の役割はあまりありません。交通事故と不審者から守ることだけ・・・。


では隊長の役割は何なのか?
子ども達と同じように迷い、悩みながら、ゴールを目指し
ゴールを見失いかけた子どもに喝をいれ、
ゴールを目指す隊長自身のその姿、その顔、その眼を、子ども達に魅せる。


子どもたちがゴールを自分の目標と認識するのには時間がかかります。
えのちゃん隊長は、連日チャレンジウォーク隊が集合する度に
怒鳴ったり、盛り上げたりしながら
隊員の気持ちをひとつ、ゴールに向けていきます。



そんなえのちゃん隊長が
隊員の前に立てなくなった瞬間。
それがななくんのリタイヤの知らせを聞いた瞬間でした。

えのちゃん隊長の後姿。
えのちゃんはなぜ後ろを向いているのか。
それは、あふれ出る涙を隊員にも私にも誰にも見せたくないからでした。


「ななはあんなにがんばってたのに」
後ろを向きながら、私にしぼり出した唯一の言葉でした。



ななくんのリタイヤの話を他の隊員に知らせるかどうか、
えのちゃんと相談した結果、
今すぐに知らせると、他の隊員の気持ちが下がってしまうかもしれないので、
今日の道のりを終えた夜まで待とうということになりました。




しかし…

その後、昼ごろになってチャレンジウォーク隊の本隊に異変が起きました。
順調だったペースが落ち、休憩がむやみに長くなり、雑談が増え…
ゴールへの意識が少なくなり、リアカーを押す隊員も減り…
原因は疲れではなく
「なんとかなるんちゃうん」症候群


まさに隊長の出番ですね。
夕方、場所はスーパーの駐車場
えのちゃん隊長は隊員を自分の周りに集めて座らせ、
いつもとは明らかに違う、ゆっくりとした口調で語りはじめました。




      「みんなはな、ゴールを目指して、
          ゴールに絶対にたどりつかないとあかんのやで。

      『仲間』というのは
           チームがゴールに到達するために、
             自分に何ができるのかを常に考えるものなんや。

       自分には何もできないってことになるのがどれだけ辛いことことか
                       一度考えてくれへんか?  実はな…」


隊長は夜にみんなに打ち明けるはずだった、ななくんリタイヤの話をしています。


       「みんなにはゴールのために出来ることがまだまだいっぱいあるやん
                      ななのためにも、がんばらなあかんのちゃう?

           みんながこの話を聞いてがんばってゴールすることで
              ななのリタイヤも無駄にならへんのちゃうやろか?
              ななもみんなの仲間でおりつづけれるんちゃうやろか?



                  なあ、みんなたのむわ
                    ななのためにもがんばったってえや」


先ほどまで、せっかく隠していた隊長の涙も、
ひとつひとつの自分の言葉とリンクするように目からあふれてしまい
その場にいた隊員の目からも、次々と涙がにじみだしました。


CW2008榎本語



そのあと…
隊員である子どもたちが
一心不乱にゴールに向かって歩きはじめたことは言うまでもありません。

地図を見つめる子、タイムキーパーする子、リアカーを押す子、元気に声を出し続ける子…
そう、ゴールのために自分にできる全てのことをいつも探りながらです。





チャレンジウォークという挑戦が終わり、
熱かった挑戦の余韻も少し冷めてきたころの私たちの事務所に
一通の手紙が届きました。

チャレンジウォークの隊員からでした。
いろいろな感想が書いてある中、
その中に一言こんな文がありました。



     「えのちゃんが泣きながら話したときはびっくりしたし、こわかった。
   
       でも、えのちゃんは本気なんだなって感じた

            あれがあったから僕はゴールできたと思う」


CW2008榎本顔

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Posted by やまさん at 14:35│Comments(4)未分類
この記事へのコメント

TITLE: うん…うん…(涙)
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前回に引き続き・・・涙で読ませていただきました。
そこに自分が居ないことが、正直 悔しいくらいにこの文章にひきつけられてしまいました。
とてもいい経験をしたんですね子供達!
とてもいい出会いをしたんですね!
やまさんにえのっちゃん、他のスタッフメンバーの温かさが伝わってきます。
これからも応援しますね♪
Posted by よんぴ at 2008年06月22日 22:11

TITLE: あぁぁ...
SECRET: 0
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挫折編に引き続き、こっちも鳥肌と涙がとまりません!!!!!!!

きっと、これから先、思い出す度にじわっと来ると思います。
チャレンジウォークに参加してよかった。まだまだやって思う自分もいます。
来年またチャレンジャーである、ななくんに早く会いたいです!!!!!

やまさん、書いてくれてありがとう☆
Posted by ちょっぱー at 2008年06月23日 11:24

TITLE: ふーん♪
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チャレンジウォークを振り返りました。
チャレンジャーになった,子どもたち,えのちゃん,やまさん,リーダーたち,そこに参加した自分すべてに誇りをもてます。答えはそれぞれだけれど,みんながチャレンジしたことは確かですよね。

今私は忙しさの中でチャレンジウォークで学んだ大切なことを忘れてしまっていました(・_・;)
今のあたしは「なんとかなるんちゃうん」症候群です!!今必死でがんばらないといけないことがあります。でもやってもやってもゴールが遠い…でもまぁなんとかなるやろ!って、開き直っていました。このブログ読んでよかった…助けられた

これから,つまずいたらチャレンジウォークのことを思い出そう。頭の中をシンプルにしよう。きっとヒントがある。今日そう感じました。フィードバックありがとうございました^^フィードバックに有効期限なしですね!力もらいました!

来年もいきたいなぁ〜
Posted by ぽぴー at 2008年06月23日 22:54

TITLE: ほぉ…
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よく考えれば当たり前ですが、ドラマの出演者って…

自分が出演していないシーンで何が起こっているかはわからない。

だからおもしろいのかもしれないが…


このドラマは、まだまだ知らないシーンがあるはず。
もっともっと伝えてほしい…し、

知っているシーンは伝えたい…
Posted by ごぉ at 2008年06月25日 12:38
 
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