先日、事務所の健康診断がありまして
2日分の検便を提出しろと言われました。
しかし、「出さなくては」と思えば思うほど、出ないものでして･･･。
数日間、悩んでおりましたら、妻が、
「えのちゃんに、マッサージしてもらったらええやん」
とアドバイスをくれました。　えのちゃんとはご存知、私の仕事の相方。

えのちゃんの便秘に効くマッサージ。
全く医学的な根拠も何もないのですが、そう言われるようになったのには
ある子どものお話があるのです。

昨年の秋、とある県の施設と教育系大学との連携プログラムで
5歳児向けのキャンプを行いました。
9月と11月に2泊3日ずつ、あわせて2回。
2回目には5歳児になんと７時間も歩かせるという、
超過酷なメインプログラムを設定し、1回目はそのリハーサルのようなイメージ。


私達がこだわったのは
この冒険的なプログラムを5歳の子ども達に挑戦の手助けとして作った
ひとつのファンタジーなイメージ。
イメージはズバリ「忍者」　
忍者修行のキャンプ、
キャンプの名前はその名も「にんにんキャンプ」


私と相方のえのちゃんが忍者の先生に扮装し、

「一人前の忍者になるための修行でござる」

と子ども達を引っ張りながらと様々なプログラムを行いました。
にんにんアウトドアクッキングに、にんにんウォークラリー、にんにんキャンプファイヤー･･･
いろいろやりました。
宿題まで出しました。11月の2回目のキャンプまでに、
家でお父さんお母さんと、おにぎりを一緒に作る練習をすること、長い距離を歩く練習をすることなどなど。



子どもたちは
一人前の忍者になることを夢見て、
普段出来ない、普段挑戦しようともしないことに挑戦していったのです。

「忍者になるんだもん」
と言いながら、泣くのを必死に我慢しながら歩く子ども。
「忍者はスキキライないもんね」
と言いながら、キライな食べ物を飲み込もうとする子ども。
「忍者は人に頼ってはいけないもんね」
と言いながら、服をたたんでかばんに入れる子ども･･･。

いろんな子どもがいました。
子ども達の挑戦心をかきたてるための忍者イメージ、
成功したようです。



全てが終わった最終日、
ひとりの男の子が私の耳元でそっと言ってくれました。

「僕のね一番嬉しかったことは、うんちが一人で出来るようになったこと」


「ん？」という顔を私がしたら教えてくれました。
聞けば、
一人でうんちが出来ず
キャンプ自体に来るのも嫌だった。
来てからもうんちが出ず、ずっと体調が悪かったと言う。

ある夜、そのことを忍者のえのちゃん先生に話したら
「うんちが出るでござる〜」
と言ってえのちゃん先生が
『忍法うんちマッサージの術』と言ってさすってくれたそうな。
そうしたら、不思議なことに
すぐにうんちがどっさりでたそうな。

次の日は教えてもらったマッサージを男の子が自分でして
うんちがどっさり。

今までうんちを一人で出来なかった子どもが
一人で出来るようになった瞬間なのでした。



解散のとき
その子は迎えに来たお母さんを見つけて、大声で叫びながら走って行きました。
「おかあさーーん　僕、うんちひとりで出来るようになったよーーーーっ」



ゲームにクッキングに･･･
もっと楽しいこといっぱいあった筈なのに、
お母さんに、真っ先に報告することがそれなのかい･･･。
男の子にとってはうんちが出たことが最高の出来事のようでした。

大人が思っていること以外に、そしてそれ以上に
子どもは自分で成長しようとするようです。
私達のねらい通りになるより、子どもが自分で見つけたものがあるということが大切なのかも。
また勉強になりました。


ただ、残念なことがひとつ
『忍法うんちマッサージの術』は、
健康診断のプレッシャーと戦っている私には効かなかったということです。